◆プログラム
北朝鮮による5回目の核実験と長距離ミサイル発射、THAADミサイル配置は朝鮮半島に軍事的緊張が高まり、北東アジアの国際政治に対立と葛藤をもたらしている。また、日本の憲法改正の動きと慰安婦合意問題は日韓関係を悪化させた。日韓のメディア、政界、学界が解決策に関し十分な意見交換が行われていない状況の中で、当センターは日韓のジャーナリスト、学者を招き、(社)韓日未来フォーラムと共同で「第7回日韓ジャーナリスト・シンポジウム」を開催した。 第1セッションで、澤田克己(毎日新聞論説委員)が「不安定な北東アジア情勢と日韓協力の模索」を題目に、「韓国は日本に対する依存度は1980年代後半以降、劇的に低下した。しかし、国際社会における日本の存在感は、今でもそれなりに大きい。日韓は北朝鮮の核・ミサイルに備え、協力していかなければならない」と述べた。豊浦潤一(読売新聞国際部次長)は「北朝鮮の核・ミサイルに対する日韓の脅威や朝鮮半島有事や防衛協力についての日韓の認識のギャップを埋める必要がある」と論じた。ファン・ヨンシク(韓国日報主筆)は「日韓問題の包括的解決策として、第二の日韓パートナーシップ共同宣言が必要であり、日韓のメディアは客観的な事実を積極的に知らせ、報道するべきだ」と語った。ソンウ・ジョ ン(朝鮮日日報論説委員)は「日韓安保協力の歴史的背景」について報告し、ハン・サンドク(KBS報道局アンカー)は「未来志向的な日韓関係に向け、両国は努力しなければならない」と述べた。 第2セッションでは、シム・ギュソン(東亜日報顧問)は「日韓慰安婦合意の4つの隔たりとそれを縮めるための方策」をテーマに報告し、日韓は「①非公開の水面下接触を着実に行い、慰安婦合意の異見に対する解決策を探る、②日韓の協力と協調が必要だとのコンセンサスは捨てない、③高い次元で両国の共同利益と未来志向的な目標を提示し、この枠の中で、慰安婦問題包括的に解決する方策を模索するべきである」と主張した。チョ・ヨンレ(国民日報編集担当理事)は「両国の歴史と文化は似ているようだが、実は異なるということを認め、両国の心理的距離を縮める努力を多角的にするべきである」と述べた。チョン・ナムグ(ハンギョレ論説委員)は「日韓関係解決のために、事態がこじれた過去の決定的な地点に後退する必要がある」と論じた。出石直(NHK解説主幹)は「日本人の対韓感情の推移、外交青書の記述の変遷、対韓悪感情の定着、文在寅政権と日韓関係における不安と期待、新しい日韓関係の模索」について述べた。箱田哲也(朝日新聞論説委員)は「慰安婦問題が国の威信の象徴となりつつあり、慰安婦合意破棄は国際法違反という不名誉をもたらす」と語った。 今回のシンポジウムは日韓の学者、メディア、一般参加者と共有でき、日韓間問題の解決策に関しては質疑応答を通じ意見を交わし、理解を深めた。
KIEAS NEWSLETTER No.29 Decemberより抜粋。