実施報告
【シンポジウム】

2015.12.09シンポジウム「北朝鮮とどう向き合うか」(2015/12/9)

日  時2015年12月9日(水) 13:45-17:30
場  所慶應義塾大学三田キャンパス 東館6階 G-SEC Lab
 使用言語日韓同時通訳

 

◆プログラム

 

韓国の柳吉在前統一部長官をお招きし、北朝鮮問題に関するシンポジウムを開催した。シンポジウムは、柳吉在前長官の基調講演と専門家セッションで行われた。

柳前長官は基調講演の中で朝鮮半島の統一の重要性を訴えた。朝鮮半島が分断されてから70年が経ており、韓国内で統一に対する関心度が下がっている。柳前長官は、分断70周年を迎えて、韓国社会にとって統一の意味は何であり、国際社会は朝鮮半島の統一をいかに向き合うのかについて、積極的に議論すべきであると主張した。朝鮮半島の統一は、南北が一つの民族と一つの国家となるという近代国家論理を超えて互恵、共存、平和という共通の価値を追求していくプロセスであるべきであり、それは国際社会の利益にもかなう。柳前長官は、こうした議論を踏まえて韓国が朝鮮半島の統一を主導しなければならないとした上で、日本社会が朝鮮半島の統一に関心を抱くよう呼びかけた。

第二セッションでは、専門家セッションが行われた。まず、平井久志教授は、金正恩の権力掌握が予想以上の速さで進んでいると論じた。平井教授によれば、最近の金正恩政権は権力の掌握から安定化を図る様子を見せており、対外政策にも中朝の関係修復, 南北対話を試みるなど、挑発よりは対話・調整型への姿勢転換が見受けられるという。続いて小牧輝夫教授は、自らの平壌訪問を中心に報告を行った。小牧教授は、近頃に平壌の都市建設が盛んになっている点を指摘し、金正恩政権の経済的余裕を示唆すると論じた。

 

*センターによる整理