◆プログラム
北京大学の李婷婷教授をお招きし、植民地解放後、韓国の帰属財産権に関する研究会を開催した。報告の目的は、1945年から60年までの韓国所在の帰属財産権の処理過程を分析し、脱植民政治経済の秩序が形成される過程を明らかにすることであった。
先行研究では、こうした帰属財産権の問題を資本家と労働者の闘争の側面に主な焦点を当てて議論してきた。また、韓国政治経済史の観点から戦後復旧の時期、1960年代の高度経済成長期の前史として捉えたり、植民地解放後の後発開発途上国のケースとして比較政治経済学理論を適用して分析する傾向が強い。このような研究成果を踏まえて、李教授が強調したのは、財産権の処理問題は脱植民地の経済権力再編の性格を帯びており、その処理をめぐって様々なアクターの相互作用があった点であった。つまり、開放後という節目において、財産権の処理問題をめぐって資本家、労働者、韓国政府、アメリカの軍政など様々な利害関係者の間で形成された初期の合意が、今後の韓国政治経済の秩序として定着したということである。例えば、国家経済に対する強力な政府もその産物であった。報告の後、自由討論の時間を設けて参加者間の議論が行った。
*センターによる整理