実施報告【研究会】
2014.07.15研究会「戦後日本とドイツの謝罪・補償政策の動因分析」(2014/7/15)
日 時 | 2014年7月15日(火)17:30~19:00 |
場 所 | 慶應義塾大学東アジア研究所共同研究室1(大学院校舎8階) |
使用言語 | 韓国語 |
◆プログラム
報 告: | グ・ヤンモ(ノーウィッチ大学) |
司 会: | 西野純也(慶應義塾大学) |
ノーウィッチ大学(バージニア州)のグ・ヤンモ先生をお招きして、戦後日本とドイツの「歴史和解」への取り組みに関して研究会を開催した。
まず、グ先生は次のような問題意識を提示した。いつ国家は、過去の非道な行為に対して対外的に謝罪するのか。日本とドイツが、戦争での非道な行為に対して異なる対応を見せる理由は何であろうか。グ先生は、これらの問題意識について、次の二つの分析視角を提示し、議論を進めた。第一に、謝罪、賠償は国家利益確保の手段である。この論理によれば、国家は、安全保障、経済的な利益を確保するために、旧敵国との和解を模索し、そのプロセスの中で過去の過ちに対して謝罪し賠償する。第二に、謝罪と賠償は国内外の多様な行為者が相互作用した結果である。いわゆるマルチ∙エージェントダイナミックである。過去の過ちに対してより前向きな対応を求めるトランスナショナル集団の影響力が強く、国内で進歩派が政権を握ると、国家は過去の非道な行為に対して謝罪し賠償する。逆に、保守政権が政権を握り、トランスナショナル集団の影響力が弱まると、国家は過去の非道な行為に対して黙認し、ひいては賛美する。グ先生は、こうした視角を用いてナチス∙ドイツの強制徴用、日本の慰安婦問題をケースに仮説の検証を進めた。研究会には、専門家、言論人、政策実務者など幅広い観客が参加し、活発に意見を交わした。
*センターによる整理