実施報告
【シンポジウム】

2017.12.18公開シンポジウム「東アジアの諸課題—日韓両国の視点」(2017/12/18)

日  時2017年12月18日(月) 14:00~18:00
場  所慶應義塾大学三田キャンパス 東館6階G Lab
使用言語日韓同時通訳
共  催慶應義塾大学法学部、延世大学校政治外交学科、韓国国際交流財団

 

◆プログラム

13:40 開 場
14:00-14:10 開会式
14:10-15:50 第1セッション「日本の課題と視点」
司 会 金基正(延世大学校)
報 告 烏谷昌幸(慶應義塾大学) 「福島原発事故と原子力政策の正当性」
小嶋華津子 (慶應義塾大学)「習近平政権の合理性と矛盾—中国共産党第19回党大会を終えて」
15:50-16:10 休 憩
16:10-17:50 第2セッション「韓国の課題と視点」
司 会 西野純也(慶應義塾大学)
報 告 白宇烈(延世大学校) 「中国の台頭と同盟国の国内政治変化—2つの権威主義的国家、ミャンマーと北朝鮮の事例」
張東震(延世大学校)「国際的正義と統一に向けた南北関係」
17:50 閉会の辞

 

 

慶應義塾大学法学部政治学科と韓国延世大学校政治外交学 科は1992年より毎年両校を相互訪問して学術交流を行って おり、その一環として本センターと共催で公開シンポジウム を開催した。

第1セッション「日本の課題と視点」では、烏谷准教授が、 福島原発事故を受けた日本の原子力政策について分析した。烏谷准教授は、原発再稼働問題では、社会的信頼が崩れた原 発を再開するという行為をどのように政治的に正当化できる のか、誰がどのような基準を根拠として原発再稼働を決定す るのか、また、その決定が人々からどの程度正当な決定とし て支持を得ることができるのかが問われていると説明した。 小嶋准教授は、中国共産党第19回党大会を終えた習近平政 権について、軍、党、経済、社会運動等の様々な観点から分 析を行った。小嶋准教授は、習政権が直面する新たなリスク として、網紀粛正・汚職摘発による党内の不満、集団指導体 制と習近平個人への権力集中の矛盾などを指摘した。

第2セッション「韓国の課題と視点」では、白宇烈教授が、 中国と関係の深い権威主義国家であるミャンマーと北朝鮮を 事例とした政治体制比較を行った。制限的とはいえ民主化が 進み改革開放を採用したミャンマーと、現在も独裁が堅固で あり改革開放が進まない北朝鮮の違いについて、体制安定性 や選挙の有無、中国に代わるパトロン国家の有無等を要因と して挙げながら説明した。張東震教授は、南北関係を人権や 国際支援、正義の戦争といった観点から捉えて報告した。張 教授は、人権尊重の概念を共有せず、解釈も異なっている現 状が南北関係をますます不安定させているとして、北朝鮮の 政権が住民の人権を無視することは、政治的正当性を弱体化 させ、自己防衛のロジックを否定し、国際社会が北朝鮮に介 入する根拠になると指摘した。

 

 

*センターによる整理

 

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