◆プログラム
2017年が韓国の民主化以降30年の節目であることから、 民主化後30年の韓国政治外交を検証するための公開シンポ ジウムを開催した。
第1セッションでは、沈之淵教授が民主化以降の韓国政治 を指導者ごとに分けて詳しく説明した。民主化以降の歴代政 権を振り返ると、その多くは政党の離合集散があり、分裂し た勢力は選挙に負けて、統合に成功した勢力は選挙で勝利す る結果につながったとした。張勳教授は、現在の韓国民主主 義は政治的エリートが主導する民主主義と、直接民主主義 というツートラックで動いていると述べた。張勳教授は、 2016年に韓国で起きた「ろうそくデモ」を例に、現在の韓 国民主主義が過去よりも一層、直接民主主義に発展している と論じた。
第2セッションでは、金基正教授が、南北分断という特殊 な状況が韓国外交を制約しており、国家を中心とする視角と 民族中心の視角に外交アプローチが分裂してきたと主張した。崔大錫教授は、民主化以降に南北関係が改善し発展した のは事実だが、まだ不安定であり、いつでも過去に逆戻りす る可能性とその構造的障害を指摘した。北朝鮮に対する韓国 内の保守と進歩の分裂が存在する中、文在寅政権に必要なの は、長期的な観点での問題解決と、慎重かつ実用的なリーダ シップの発揮であると分析した。