韓国を代表する日本研究機関である国民大学校日本学研究 所から李元徳所長を迎えて、「文在寅政権の対日外交:課題 と展望」をテーマとする公開セミナー開催をした。李所長は、 文在寅政権の外交における対日関係の重要性や方向性、慰安 婦問題をはじめとする「歴史問題」への対処法、今後の望ま しい日韓関係について洞察力ある分析を示した。日本におけ る文在寅政権に対する懸念に対して李所長は、文政権は歴史 問題を経済協力や安全保障といったそれ以外の分野と切り離 す「ツー・トラック」政策や日韓両首脳によるシャトル外交 を推進するなど、実質的な協力関係の構築を望んでおり、日 韓関係を重要視していると指摘した。韓国社会において日本 の重要度が低下していることは否めないが、それでも日韓関 係は韓国外交にとって重要であることを強調した。 慰安婦問題をはじめとする歴史問題、歴史認識については、 政府間の交渉や合意によって完全に解決することは難しいと して、問題の解決には政府が前面に出るよりも、日韓の専門 家に委ねることが望ましいとした。日韓関係のさらなる改善 に向けて、2018年が「日韓共同宣言」から20年の節目の年 であることに留意し、この機会を活かすことの重要性を強調 した。
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