2014.04.28研究会「独立思想の震源」

写真1.JPG

テーマ:「独立思想の震源」

報告:李 庭植(ペンシルベニア大学名誉教授)

司会:西野純也(慶應義塾大学)

時:201443日(木)午後430分~6

所:慶應義塾大学東アジア研究所共同研究室1

(大学院校舎8階)

 

韓国学の権威者である李庭植教授をお招きし、「独立思想の震源」と題する研究会を開催した。本研究会の目的は、独立思想の震源と成長過程を明らかにすることにあった。

李教授は、独立思想の震源を朝鮮のエリートたちが、長い間抱いていた民族主義の感情に求めた。朝鮮は弱小国として明、清国との事大関係を構築した。中華思想及び小中華思想は事大関係を支える理念であり、その理念によると、天子の統制の下で自主を保つものの、近代的な独立意識を持てなかった。金教授が注目したのは、申錫愚、朴珪壽らが国を訪問し、清国の衰退を実感し、事大関係から離れた朝鮮独立の可能性を目指すようになった点であった。朴珪壽は、金玉均、朴泳孝、兪吉濬など開化党の志士たちと活発な交流をしてきたからである。李教授は、こうした分析の上、朴珪壽のアイディアを金玉均、朴泳孝、兪吉濬が引き継いだと主張した。

また、李教授は、独立思想の背景要因として東アジア情勢の急変を挙げた。、朝鮮内は、清国が衰退し、中華思想が弱体化する中で、いかに富強な国家として築いて行くのかが盛んに議論されつつあったからである。金教授は、金玉均、朴泳孝、兪吉濬もそうした時代の影響を受けたと論じた。

 

*センターによる整理