2020.08.03公開シンポジウム「北朝鮮の核・ミサイルにどう向き合うか」(2017/11/8)

◆日  時 : 2017年11月8日(水) 14:00~18:00
◆場  所 : 慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール

◆使用言語 : 日韓同時通訳

 

◆プログラム

13:40  開場

14:00-14:10  開会式

挨拶 西野純也(慶應義塾大学現代韓国研究センター長)

尹大奎(慶南大学校極東問題研究所長)

14:10-15:45  第1セッション「北朝鮮の核・ミサイル能力評価と情勢展望」

司会 尹大奎(慶南大学校)

報告 金東葉(慶南大学校)

戸崎洋史 (日本国際問題研究所)

討論 李寛世(慶南大学校)

伊藤弘太郎(キヤノングローバル戦略研究所)

15:45-16:05  休憩

16:05-17:40  第2セッション「北朝鮮の核・ミサイル高度化への対応策」

司会 西野純也(慶應義塾大学)

報告 平井久志(共同通信客員論説委員)

張哲運(慶南大学校)

討論 平岩俊司(南山大学)

金楨(北韓大学院大学校)

林乙出(慶南大学校)

17:40-18:00  総評 康仁徳(元統一部長官)

18:00  閉会の辞

 

◆共  催 : 慶南大学校極東問題研究所

韓国国際交流財団

 

北朝鮮の核・ミサイル開発がさらに進み、非核化に向け た国際社会の取り組みは一層困難になっている。今年2017 年7月の大陸間弾頭ミサイル(ICBM)発射および9月の第 6回核実験が示すように、20年以上にわたる国際社会の努力 に反し、北朝鮮の核・ミサイル能力の高度化は著しい。米国 本土到達可能な核搭載ミサイルの完成が現実味を帯びる中、 トランプ政権は「最大限の圧力」による北朝鮮の態度変更を 迫りながら、軍事オプション行使の可能性も排除しない。一方、朝鮮半島の軍事的緊張が高まる状況を受け、5月に発足 した韓国の文在寅政権は南北対話による緊張緩和を目指す が、北朝鮮は対話を拒否し続けている。日本はじめ国際社会 は、行き詰まった状況をどう打開していくのか。これ以上の 核・ミサイル開発を阻止するには何をすべきなのか。日米韓 中露など関係各国は、これからも一致した行動をとり続ける ことができるのか。こうした問いに答えるためには、北朝鮮 の核・ミサイル開発の意図と能力を今一度しっかりと分析、 評価する必要があるとの認識のもと、韓国における有力な北 朝鮮研究機関である慶南大学極東問題研究所から専門家を迎 えて、今回「北朝鮮の核・ミサイルにどう向き合うのか」と 題する公開シンポジウムを開催した。折しもトランプ大統領 のアジア訪問と重なる中での開催となり、多くの聴衆を得る中 で最新情報を踏まえた情勢分析と評価に基づく活発な議論が展 開された。 第1セッションでは、「北朝鮮の核・ミサイル能力評価と情 勢展望」をテーマとして、北朝鮮の軍事的能力に対する評価 を中心に進められた。金東葉の報告では、北朝鮮の核実験結 果のデータ等から核開発のレベルを評価し、金正恩政権以 降の核武力運用戦略について論じられ、続く戸崎洋史の報告 では、北朝鮮の能力及び意図、認識が日米韓にどのような影 響を与え、北朝鮮との関係でどのような課題を生み出して いるのかについて論じられた。討論者やフロアからは、北 朝鮮の各種ミサイルの核搭載の可否、大陸間弾道ミサイル (ICBM)の実戦配備の時期等、北朝鮮の核・ミサイル開発 の正確な評価に関する質問が相次いだ。  第2セッションでは、「北朝鮮の核・ミサイル高度化への対 応策」をテーマとして、北朝鮮の核・ミサイル開発が極めて 高度化している状況に対し、軍事的な対応と合わせて外交的 な対応についての現状と展望について議論が進められた。平 井久志の報告では、北朝鮮の言説から意図を読み解いた分析 について論じられ、続く張哲運の報告では、韓国の文在寅政 権の立場を踏まえつつ、現状にどのように対処し、解決策を 導き出していくのが良いのかについて論じられた。  セッションの後には、康仁徳が総評を行い、北朝鮮問題に は長期的な持久戦略が必要とし、韓国の制約された外交空間 の中で韓国が当事者として問題を主導していくには同盟国の 米国と友好国の日本との関係が重要であるという非常に重要 なメッセージを投げかけ、シンポジウムの最後を締めくくった。

*センターによる整理