2020.08.20公開シンポジウム「北朝鮮問題への新しいアプローチ」(2019/7/4)

◆日 時: 2019年7月4日(木) 14:00~16:50
◆場 所: 慶應義塾大学三田キャンパス東館6階 G-Lab
◆プログラム:
14:00~14:05 開会の辞
14:05~14:50 第1セッション
報 告:アダム・マウント(全米科学者連盟)
司 会:アラステア・ゲール(ウォール・ストリート・ジャーナル)

15:10~16:50 第2セッション(パネル討論)
討 論:徳地 秀士(政策研究大学院大学、元防衛省防衛審議官)
伊集院 敦(日本経済研究センター、元日本経済新聞ソウル支局長・中国総局長)
サンドラ・ファヒ(上智大学)
司 会:西野 純也(慶應義塾大学)
◆使用言語:日英同時通訳
◆共 催 :韓国国際交流財団

 

全米科学者連盟(Federation Of American Scientists)のアダム・マウント(Adam Mount)及び多数の専門家を招請し「北朝鮮問題への新しいアプローチ」をテーマとする公開シンポジウムを開催した。第1セッションはアダム・マウント氏が共著者として参加し、今年3月に発表した北朝鮮問題に関する政策提言書を中心に発表が行われた。第2セッションでは第1セッションの提言を踏まえながら、安全保障、経済、人権分野に関する専門家の討論が行われた。同盟及び安全保障の専門家であるアダム氏は、北朝鮮の能力に対する制限と意図に対する変化(transformation)を提案した。討論者である徳地教授は、アダムの提言が一貫的であり、現実的であると評価する一方、変化を通して北朝鮮の意図に関与することがどれほどの効果があるかについては疑問が残り、限界があるだろうという見解を提示した。また、北朝鮮を非核化させるために重要である日米韓関係が現在、緊密な関係であるとは言い難い点を指摘した。サンドラ教授は、我々にとって望ましい北朝鮮ではなく、ありのままの北朝鮮を前提としながら政策を考えなければならないと指摘した。伊集院氏は、周辺諸国が北朝鮮に対し、変化を求めているという点においては一致しているが、変化の程度には日米韓と中露の間に大きな認識の差があるという点を見逃すことはできないと主張した。

 

*センターによる整理